今日は休日。朝日がまだ顔を出したばかりの時間、グラウンドには3つの人影があった。
「役割はさっき話した通り、直樹が前衛、沙羅が後衛だ。沙羅は状況に応じて近距離、遠距離攻撃を切り替えろ。」
「「はい!」」
蓮の指示に、直樹と沙羅は元気よく返事をする。
「よし、なら連携の練習を始める。かかってこい!」
蓮が戦闘姿勢をとる。
「いくぜ大将!」
沙羅が両袖から鎖を放ち、牽制する。蓮はそれをステップで避ける。
「うおりゃぁぁぁ〜!!」
直樹が一気に蓮との距離を詰める。
「遅い!」
直樹の腕を掴み、後ろへ投げ飛ばし、後衛の沙羅へ向かって走る。
「沙羅!!」
「あいよ、大将!」
沙羅は出していた鎖の1つを直樹の胴にくくりつけて引き戻す。
「っ……。」
直樹が蓮の攻撃を受け止める。蓮は深追いせずにバックステップで距離を取る。
「沙羅、飛ばせ!」
「任せな!」
直樹を空高く飛ばす。蓮は直樹を気にせずに沙羅へ向かう。
「待ってたぜ!斬鎖旋風陣(ざんさせんぷうじん)!!」
ダボダボのジャージから両方合わせて8本の鎖を出す。その鎖の先端は重りではなく幅10センチくらいの刃が付いている。