みんなの予定を調整し、GWのちょうど中日に集まることになった。


BBQの場所に選んだ河川敷は大学時代にも何度か訪れている。

卒業後にもまたこうしてみんなで集まることが出来ているのがうれしかった。



車から荷物を下ろし準備に取り掛かる。

火起こし班の雅紀、さや彼。

材料を準備するまさよと私。

大きなキャベツに悪戦苦闘しているとさや彼が事もなげに半分に切ってくれる。

「さすが!」そう褒めると、お兄さんに任せなさいとでも言いたげに去って行った。

西田君とゆうはシートを敷いたり、パラソルをセッティングしてくれている。


さやはと言えば… 早速クーラーBOXからビールを取り出し、芝生の上でくつろいでいた。


「さやー、手伝ってよ!」


そんな私の声にも今日私主賓だもん!と笑顔を返す。



手が空いた人から順にビールを片手に網を囲んだ。


「まだそれ焼けてないと思うよ?」


「死にはしないって!」

人数には少し小さいBBQセットにぎゅっとコンパクトに集まって、大いに騒いだ。




真夏を思わせる日差しがみんなのテンションを高くさせたのかな。



満腹になり、みんなから少し離れた河原に座る。

「ねぇさや、私たちこれからどうなっていくのかな?」


「それは決まってるでしょ、やりたい仕事に就いて恋愛してそれで大好きな人と結婚する」


いつも前向きなさやは弱い私に勇気をくれる。


「そうだよね! 幸せにならないとね」


「あたりまえじゃない、幸せになるに決まってる」


「頑張ろうね」


「瀬名が雅紀君と結婚するのも楽しみにしてるから」


「ははは、出来るかな?」


「絶対するでしょ」


幸せな未来を想像しながら川を眺めた。



少し陰りを見せる太陽が川の水に反射する。



止まることを知らない川の流れと同じように、時間もまた不可逆だ。



こうして少しづつみんなが自分の道を歩き出して、学生のころのようには集まれなくなっていく現実を実感した。