「嫌じゃないけど……」


仕事終わりにまーくんと外で会う。

会社の人に会ったら大変だ。

今まで、まーくんが忙しいのもあるけど、付き合ってから、外でまーくんと会った事はない。

というか、仕事以外でまーくんと会えたのは、この間のまーくんの部屋に行った日くらい。

そりゃ、まーくんと何処かへ出掛けたり、仕事終わりにデートをしてみたい。

だから、一緒にご飯を食べに行ける事は嬉しいけど、外で会っても大丈夫なのだろうか、と不安になる。


「大丈夫だよ。個室のある店を選ぶから」


私の考えている事がわかったのか、まーくんは微笑み、優しく私の頭を撫でる。


まーくんが“大丈夫”って言うんだもん。

だから、大丈夫だよね。


「……うん。行く」

「それじゃ、終わったら連絡する」


私の返事を聞いて、まーくんは嬉しそうに私の頭を撫で、倉木さんと給湯室から出て行く。


私も残業にならないように頑張らなきゃ!

そう思い、急いで企画課に戻った。