女の過去が全部流れ込んで来た後 ずっと瞑っていた目を開けると 光と女は消え、依頼人のケンと俺が佇んでいた ケンは戸惑っているのか、固まっている 紫「はぁ…」 あの女を消滅したと同時に流れて来た女の記憶は、想像以上のものだった そして考えたのは、悪かったのは誰かということ 暴力をし続けた夫なのか 逃げ出した女なのか 殺した夫なのか 怨霊と化した女なのか ここを通る誰かなのか 俺にはわからねぇ みんな悪くないと思うし、悪いとも思う だけど、残った事実は最悪だと思った