白〜忘れられない記憶〜
















『やだっ………お…お願い…助けて…』

その日の夜中、あたしは初めての活動。


指定された人間を殺そうとしていた。


怯えてる。

泣いてる。



「………………」

あたしが包丁を振り下ろすと、血飛沫が飛ぶ。



倒れている死体は怯えた表情のまま。


後ろから、沢山の研究者達が駆け寄ってきた。

『流石だ』

『とてもいい人材だわ』



何度も褒められた……のに、何も感じない。

逆に、心が冷たくなっていく気がした。