白〜忘れられない記憶〜





ほら、話し声が聞こえてきた。






早く、早く逃げて。


彼は、顔を歪めながらも走り出した。









タイムオーバー……か…





彼が走り去った時、丁度、研究者達が私の元へと着いた。



『何故…此処に?』


聞くのは当然だろう。


具合が悪い人間が廊下にいるのだから。





『彼…を見なかったかい?』



彼。


それで通じるのは、ある意味凄い。




私は、無言で首を横に振る。








『そうか……まぁ、彼の服にGPSを着けているから、問題はないがな。』