白〜忘れられない記憶〜






彼の足が止まる。


涙目で、体を震わせながら、壁を叩いた。






「っ………出口を教えて!!」





出……口……?


貴方は、此処から逃げるの?








当たり前の事。



…でも………私は……













自分の為の事を考えるなんて、駄目だよね。



彼の幸せを願わなきゃ。




「出口を探してるの…?」










タイムリミットはあと少し――