白〜忘れられない記憶〜




























彼の話は、私が予想していたのと殆ど一緒だった。



まさか、研究者が自ら向かうとは……


余程焦っていたんだろうか。




実験体にする、と告げてしまうなんて。









とにかく、私は動揺を見せてはいけない。


無関係な振りをしないと、彼は私の言うことすら信じないだろうから。







「……ふーん…大変だったね。」


そっと彼の頭に手を伸ばし、ゆっくりと撫でた。







あの日、再開した日に貴方がしてくれたように。