白〜忘れられない記憶〜












「やだ……何で…嫌嫌嫌嫌ぁ!!」


真夜中に、彼女の叫び声が響き、長い髪が揺れた。




私が彼女に刺したナイフを引き抜いた時、既に息絶えていた。




私が手に持つナイフには、彼女の血が……


ナイフを見つめて、初めて顔を歪ませた。










「ご苦労様。」

背後からの春稀の声。





「…………」




私は一礼して、その場を去った。


怖いわけじゃない。


ただ…見たくない。


壊れていく春稀も、何もかも。






『大丈夫。死体は交換されるから』

廊下を歩きながら、あの言葉が頭に響く。



低い声で、何度も…何度も…