【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


「そうじゃなくって――」


なんて理由をつければ、すんなり気付かれずに、戻してもらえるだろう? 


と、せわしなく考えを巡らせていたのに、、そんな優花の苦労は、ニコやかに放たれた晃一郎のセリフによって木端微塵に吹き飛ばされた。


「せっかくいい眺めなのに、もったいないじゃないか」


げっ!? 


しっかり気付かれているっ!


み、見るなバカっ!


と、心で叫んで、速攻で裾を持ち上げようとするけど、なんだか両手にうまく力がはいらない。


「ちなみに、俺から目線だと、そっちよりもっと上の方が、いい眺めなんだなこれが」


「なっ!?」


どこまでもスマイル全開のセリフと共に落とされた晃一郎の視線の先には、


胸ぐりが大きく開いたワンピースの隙間から覗く二つの小山が作り出す谷間が、チラリ。