【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~



「ここは、お前が居た世界と似ているが、全く別の世界。つまり、パラレル・ワールドなんだ」


は……?


はいっっ!?


ちょっ、


ちょっ、


ちょいまちっ!


今なんて言った、このお人。


お前が居た世界に似ているが、全く別の世界?


パラレル・ワールド?


何、その超・SFかつファンタジーな展開はっ!?


いやいやいや、待てよ。


常識的に考えて、そんなことが起こるわけはない。


ってことは、これは冗談だ。


そう、質の悪い、冗談っ!


「いや、残念だけど冗談じゃないんだ……」


「え?」


今、私、声に出して言ってないよ……ね?


疑惑の眼を向けていたら、晃一郎が少し『しまった』的な表情を浮かべて咳払いをした。