【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~



「まさか……」


最悪の結果が脳裏をよぎり、その先を言葉にすることができない。


「おじさんとおばさんの安否は、わからないんだ」


「……え?」


安否がわからない?


「俺がお前に呼ばれて事故現場に行ったとき、居たのは優花、お前だけだった」


「え?」


私が、晃ちゃんを、呼んだ?


確かに、晃ちゃんのことをチラッと思い出したような気はするけど、呼んだっけ、私?


それに、SOSに飛んでくるスーパーマンじゃあるまいし、呼ばれたからって助けに来られるものなの?


そもそも『呼ばれてくる』って、意味が分からない。


「おじさんとおばさん、二人の行方が分からない、ってこの場合、たぶん行方不明なのはお前の方だけど」