私、忘れないよ。


たとえ、すべてが、記憶の彼方に消えてしまっても。


何ひとつ残らなくても。


この手は覚えているから。


繋いだ手の感触をこの温もりを、ぜったい、忘れたりしないから。


『うん』


そしてね……。


『うん?』


そして、いつか、


遠い未来で、また逢えたらいいね――。