十数メートル先の、ちょうど林と広場の境界線上。
そこに、まるで空間を引き裂いて出てきたかのように、複数の人間が不意に姿を現した。
声もなく、表情すら消して整然と近づいてくる異様なその人の群れを、晃一郎と二人、言葉もなく息を飲んで見つめる。
濃紺のブレザーと、グレーのスラックス。そしてエンジのネクタイ。
見覚えのある制服姿の男子が五人。
そして、その少し後ろを遅れて歩み寄ってくる、見覚えのありすぎるスレンダーな女子が一人。
柔らかな秋の日差しに照らされた健康そうな小麦色の肌と、風にそよぐ少し癖のあるセミロングの黒髪。
彼女が歩くたびに、ひらひらと広がるグレーのプリーツスカートが、芝の上に陰影を刻む。
「玲子……ちゃん」
優花が呻くように名を呼ぶ声と、晃一郎が低く舌打ちする音が重なった。
あと十メートルと言うところでピタリと足を止めた玲子の赤みを帯びた口の端が、きゅっと笑みの形に弧を描くのを、優花はただ呆然と見つめた。



