優花には、過去見の能力がある。
だから、晃一郎がここに居る経緯を知っていても、訝しがられる心配はない。
少し驚いたように目を見張った後、晃一郎は苦笑を浮かべる。
「そうか、なら話が早い。正直時間がないんだ。
人為的にパラレル・スリップができるようになりはしたが、まだ時間制限付きで、それを守らないとちょっとヤバい。
それに、今回は正式に『ガーディアン』として派遣されたわけじゃないんだ」
「うん、分かってる」
『ガーディアン』は、、『グリード』に対抗するために作られた政府が黒幕の秘密組織。
あくまでも、あのパラレルワールドを守るための組織に過ぎない。
いくらグリードの残党が犯罪目的でこの世界に紛れ込んだことが分かったとしても、
わざわざ試作段階の時空間移動マシンを使って、多くのリスクを負ってまで、他の世界をご親切に助けに来る義務も責任もない。
今回の事は、晃一郎の個人的独断による、非合法なもの。
晃一郎は、優花のために、
優花が住むこの世界のために、危険を冒して来てくれたのだ。



