【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


胸の奥が締め付けられるような、


晃一郎に対するこの気持ちはたぶん、恋なのだろう。


信じられないけど、悔しいけど、否定できない確かな想い。


でも。


「……うん。やっぱり」


出来ない、と優花は頭を振った。


彼女の存在を知り、晃一郎にこのことを話そうと優花が言った時、彼女それを、頑として拒んだ。


いつ消えてしまうかも分からない、見ることの、感じることのできない自分の存在を明かした所で、いらぬ痛みを背負わせることにしかならないからと。


そして、今も、こうして晃一郎の傍らに在る彼女。


根本が同じだから、よくわかる。


どんな思いで彼女が、優花にそれを問うのかを。


それを知っていて、晃一郎の手を取ることは優花にはできない。


「ごめんね」


『そっか、残念……。今回は、せっかく晃一郎が素直な反応してるから、いけると思ったんでけどなぁ』


そう言って、彼女は少女めいた仕草で唇を尖らせる。