【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


三年前、この世界に戻るときに、


晃一郎の手で、三か月間の記憶と共に体の奥深くに封印された力は今、再びその手によって解き放たれた。


失われていた記憶と共に手の内にある、この世界には存在しえない、強大な力。


それを確かめるように、優花はぐっと両手を握りしめた。


「分かった」


――この力が、誰かのために使えるなら、


今度は、迷ったりしない。


こんな私を、『強い』と言ってくれたあの人のためにも。


こうして今も尚、私のために力を尽くしてくれる、もう一人の優花のためにも。


そして、守りたい、大切な人たちのためにも、


私ができることがあるなら、もう迷わない――。


「分かったよ、優花さん」


決意を込めて、力強くうなずく。