【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


三年前、


本当なら優花は、両親と一緒にあの事故で死ぬはずだった。


例え即死は免れても、この世界の医療技術では到底助からなかった。


その瀕死の優花を、あのパラレルワールドに呼び寄せ、命を救ってくれたのは、彼女の魂。


彼女は、優花の命を救い、


もう一度生きるチャンスを、与えてくれた人。


その超能力(ちから)故に、肉体が滅んだ後も魂だけの存在となった彼女は、


今も尚、誰にも知られることもなく、愛する人の傍らに在るのだろう。


その愛する人にすら、気付かれないまま――。


――優花さん……。


あなたは、今も、晃ちゃんを見守っているんだね。


込み上げる熱いものが、視界を揺らす。