【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


怖い。


眠っていた記憶が、


眠っていた細胞の一つ一つが、急激に目覚め活性化していく。


自分が自分以外の何かに変化していくような、そんな恐怖感が背筋を這い上がり、それから逃れようと、懸命に頭を振る。


でも、抑えるすべもなく、


体の奥からほとばしるるようなエネルギーの激流に、朦朧とした意識が闇へと押し流されそうになった、その時。


『優花――』


晃一郎のものではない、


声が、聞こえた。


『優花ちゃん』


白く輝く眩しい空間に響く、どこか聞き覚えのある、ハイトーンの女の子の声音。


それが『自分自身の声』だと、理解した瞬間。


目の前に、白いワンピース姿の女性が立っていた。