【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


さっきまでの柔和さの欠片もない、真剣そのものの視線に捕らわれ、変な風に心臓が暴れだす。


「き……、記憶って、何の記憶よ?」


思わず、声が震えた。


『分かっているだろう? 三年前の事故の後、三か月間の記憶だ』


耳に聞こえる音声ではなく、頭の中に直接響いてくる声に、優花はふるふると頭を振った。


『保健室で眠っている間に、見た夢。あれは現実にあったことなんだ』


――知らない。


だって、あれは夢だもの。


私は、知らない。


怖い。


真実が知りたかったはずなのに、自分から晃ちゃんに聞こうと思っていたのに。


いざとなったら、怖くて仕方がない――。