それほどに、今の晃一郎は、いつもと違う。 違いすぎる。 混乱してその場に立ちすくむ優花の手を、晃一郎がさりげなく掴んで、そのままぐいぐいと引っ張っていく。 いつもなら、絶対黙って連れて行かれるような真似はしない。 でも。 振りほどけない。 ほんのりと、手のひらから伝わる温もりに、抗う気持ちを溶かされて、 なすすべもなく、引っ張られていく。 「あ、ちょっと、御堂! あんたの事は先生になんて言うのよ!?」 「俺は、祖父さんが死んだから、忌引き早退!」 「はあっ!?」