【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


どうやら、自分はベッドの上で寝ていたらしい。


その、目の前に居る、


実に、ファンタジーな姿を持った獣と一緒に。


「――マジですか、これ?」


「マジだろうな、見たとおりに」


背後で上がった声に、ぎょっとして、振り返る。


今まで気がつかなかったのがどうかしているくらいの、近距離に、晃一郎の顔があった。


「え……? ああっ!?」


クイーンサイズとおぼしき大きなベッドに、巨大サイズの羽根突きワンコと、自分と、晃一郎。


仲良く並んで川の字状態。


しかも、晃一郎は、なぜか上半身裸の半裸だ。


な、な、な、なにコレーーーっ!?


なんでこんな状況に陥っているのか理解できないで慌てふためく優花とは対照的に、晃一郎は至極落ち着いた表情で、


というより、まだまだ眠たそうなトロンとした表情で、


「俺は、もう少し寝る。ポチは、いい加減に、元のサイズに戻れ、狭くてかなわん」


と、目を閉じてしまった。