いつもくるくると表情を変え、


直情的で、涙もろい。


その華奢な容姿もあいまって、守ってやらなければ何もできない非力な少女。


優花に対する晃一郎の認識は、この時、大きく変化した。


この逆境にあっても目を逸らさすに、事実を受け入れ、真実を見極めようとする。


確かに、その境遇や生い立ちゆえの幼さを感じることは否めないが、


まっすぐで、濁りのないその魂の色は、侵しがたいものがあった。


晃一郎は、眩しげに、優花に注ぐ眼差しを眇める。


――お前は、自分で自分の進むべき道を選べる人間、なのかもしれないな。


「わかった。閃光と衝撃波がくるから、少し下がっていろ」


「うん」


うなずく優花の視線の先で、晃一郎が、部屋の中に向かい、すうっと、左手を上げた。