優花の窮地に助け舟を出したのは、晃一郎だった。
「こいつは、御堂美咲。俺の従妹です。実は、内緒なんですけど、縁故でリュウのところに入れてもらおうと、奴を懐柔中なんですよ」
晃一郎は、黒田女史の耳元に口を寄せて、内緒話をするように声を潜めると、ニッと人好きのする笑みを浮かべた。
「あら、そうなんですか? 分かりました、内緒ですね」
クスクスと、黒田女史は、まんざらでもなさそうに、共犯者の笑みを浮かべる。
なんだか、密談をしている、ワケありの恋人同士みたいだ。
――助かったけど、
なんか、むかつくのは、なぜですか?
ってか、晃ちゃん、女の人の扱い上手すぎだよ。
チラリ、と
優花は、少しばかり頬を膨らませながら、晃一郎の影から、黒田女史を覗き見る。
彫りの深い顔立ちと、碧い瞳。
それに、抜群のプロポーションから、優花は、外国人かと思ったが、
白衣のネームプレートには、黒田マリアという、ハーフであることをうかがわせる名前が書かれている。
晃一郎の対処の仕方から見ると、取り巻き軍団のうちの一人なのだろう。



