【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


優花の無駄に思える抵抗は、秒読みで本当に無駄になりつつあった。


適当な言い訳も思いつかず、結局、晃一郎同伴で、リュウのところへ行く羽目に陥ったのだ。


その上、悪いことに、


「あ、じゃあ、アタシも一緒にいってあげるよ。念のため診てもらったほうがいいよ? 一人のときにいきなり覚醒して、ぶったおれでもしたら大変だし、アタシも久々にタキモトの顔も見たいし、ね、優花?」


と、玲子というおまけも付いてしまった。


このままでは、『彼女』が、一番自分の存在を知られたくないはずの恋人、晃一郎ばかりか、親友の玲子、それに、恋人の親友で面識もあるだろうリュウにまで、バレてしまう。


いくらなんでも、バレすぎだ。


リュウの居る研究室は、地下四階。


エレベーターで、二階分下にある。


地下二階のこのフロアからなら、どんなに多く見積もっても、ものの五分もかからずに着いてしまう。


――あああああ、どうしよう。