【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


玲子の話に、若干大げさに『うんうん』と相づちを打つ優花の様子をじっと見つめていた晃一郎が、腕組みをしながら、にっこりと不穏な笑みを浮かべた。


「ま、ともかく、リュウのところで、詳しくリサーチしてもらおうか。今日は、俺も一緒に行くから」


「えっ!?」


優花は、全身、ぴきっ! っと固まった。


嫌ーな汗が、たらりたらりと、したたり落ちる。


心理リサーチ。


心理トレースとも言う。


リュウの能力の一つで、患者の体験したことを追体験できるというものだ。


つまりが、口でつく嘘など、何の意味もない。


――や、やばい。


それは、やばすぎるっ!


玲子はともかく、晃一郎のように強い能力を持ったものならば、阻止することも、逆に違う情報を送ることも可能だが、


優花にはそんな器用で高等な能力など、あるはずがない。


後ろ暗いことがありすぎる優花は、必死に抵抗を試みた。