【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


ESPのイメージ伝達訓練中に、ちょっとした悪戯心で、以前テレビで見た催眠術師の真似事をしてみたのだと。


『あなたは、眠ーくなーる、眠くなーる』


という、たぶん誰も一度は目にしたことがあるはずの、おなじみのヤツだ。


アレを、心の中でイメージしてみたら、さあ大変。


驚く程うまい具合にかかってしまい、哀れ、善意のドクター・御堂は、前後不覚の爆睡モードに突入。


ばったりと、優花の上に倒れ込んでしまった。


「――で、どうにか自力で脱出しようとしたんだけど、重くて苦しくて思わず涙がどばばーっと。いやぁ、まいったまいったよーー」


あははは。


と、照れたポーズを作って頭をかく優花の、笑顔は引きつる。


『自分のことは誰にも言わないで欲しい』


『彼女』の願いを、無下にはできないが、さすがに自分でも苦しい言い訳だと思う。