「え、あ……うう?」
――マジか?
マジなのか?
こんなガキ相手に、我を忘れてサカるほど、欲求不満なのか、俺?
ガマの油よろしく、たらーりたらりと、変な汗が滲み出す。
そんな晃一郎に、更なる追い討ちを掛けたのは、カチャリと、背後で上がったドアの開く音。
それと同時に、響いてきた聞き覚えのある弾丸トーク。
「おっはよー優花。勝手に上がるよー。今日は、朝一で仕事があったから、一緒に朝ごはん食べ……」
勝手知ったる親友の部屋。
両手に買い出してきた朝食用の焼き立てパンの芳香漂う紙袋を抱いたまま、部屋に一歩足を踏み入れた玲子は、眼前の光景にぽかんと、口をあけた。
あろうことか、
ソファーの上で、大事な親友が、押し倒されている。
押し倒しているのは、今は亡き親友を自分から奪っていった、憎っくきあいつ。
カエルを睨み殺す蛇。
玲子の鋭い眼光が、優花の上で固まる晃一郎を、情け容赦なく射抜く。
「ちょっと、何やってんのよ、アホ御堂ーーーっ!?」
それぞれの思惑を吹き飛ばすような、大音量の玲子の絶叫が、響き渡った。



