【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


二人がけのソファーは、二人で座ると意外と狭い。


その体温を感じ取ることができるほど近い距離に、優花の心臓は変なふうに暴れだす。


顔が、熱かった。


きっと、赤くなっているはず。


もしかしたら、やたらと早い、この鼓動も、伝わってしまうかもしれない。


恥ずかしさとそんな緊張感で、優花は身をこわばらせたまま、おずおずと口を開いた。


「え~~と、座った……よ?」


「んじゃ、ほら、こっち向いて」


「ひっ……!?」


ひゃあっ!?


両肩をつかまれ、強引に、身体ごと晃一郎の方に向かされた優花は、思わず上げそうになった変な悲鳴を、のどの奥に飲み込んだ。


この行動の意図を知ろうと、


ピキッ! と、


金縛り状態で身体をこわばらせたまま、頭一つ分斜め上、


すぐ至近距離にある、自分に向けられたライトブラウンの瞳を、凝視する。


心の奥底まで見透かされそうな、まっすぐな瞳からは、何の感情も読み取れない。


「次、はい両手を出して」


「え、あ、ええっ!?」


出して、と、


自主性を求めている言葉のわりに、晃一郎は自分から優花の手を取り、ぎゅっと指を絡めてきた。


こ、こ、晃ちゃん!?