【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


らんらんらん♪ と、


優花の脳内を、『厄介』と、『はた迷惑』という二種類の立体ゴシック文字が、お手手繋いで楽しげにスキップしている。


もちろん、晃一郎は、優花の立場を皮肉ったわけではない。


だが、今の優花には、自分で自覚している分、そのフレーズがグサリと突き刺さった。


せっかく浮上してきたばかりなのに、またもシュンとうなだれてしまった優花の様子を見かねた晃一郎は、自分の隣をトントンと叩いて、


「ちょっと、ここに、座って」


と、にっこり微笑んだ。


「え?」


リュウの笑顔を彷彿とさせる、邪気のなさそうな、一見、エンジェルスマイル。


でも、相手は、セクハラ大魔王の晃一郎だ。


優花は、ぎくりと身をこわばらせながら、顔を引きつらせた。


「な、なんで?」


「いいから、ここ!」


「は、はいっ!」


ハウス! と、


まるで命令をかけられた従順な飼い犬のごとく、


条件反射で立ち上がった優花は、ばびゅんと晃一郎の隣に、納まった。