【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


「違うの。百発百中で、当たらないの!」


「……へ?」


頬を膨らませながら、やけ気味に放たれた優花の言葉に、晃一郎は、いぶかしげに首をかしげる。


「だーかーらー。一枚も当たらないのっ!」


「それ、本当か?」


「う、うん、本当だけど……」


晃一郎の、ワントーン低くなった声音と真剣な眼差しに、優花の声は、尻つぼみに消えていく。


「ありえない――」


晃一郎は、独り言のように、低くつぶやいた。


――ありえないって言われても、


当たらないものは、当たらないんだもんっ。


ESPカードの訓練の他に、催眠療法なども試してみたが、結果は、何一つ出ていない。


そもそも、優花自身は、自分に超能力があるかもしれないなどと言われても、いまいちピンとこない。


コイン一枚、ティシュ一枚すら動かす事もできないのに。