【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


ESP訓練の第一段階は、まずESPカードと呼ばれる、数種類の絵柄が描かれたカードを透視することから始まる。


絵柄は、全部で五種類。


白地に、黒い文字で、丸、十字、波、四角、星が描かれている。


トランプの神経衰弱のノリで、伏せられたカードの、この絵柄を当てていくのだ。


これができて初めて、超能力のランク付けがされるという、初歩の初歩。


実は、優花は、この初歩で、勢いよくけつまづいていた。


「えーーーとね。ESPカードで、透視の訓練をしてるんだけど……」


「うん?」


「百発百中なの」


ぼそり、


と、落とされたその声は、胸を張っていい内容のわりに、ひどく自信なさげだ。


「へえ……、すごいじゃん?」


驚き混じりの晃一郎の言葉が疑問系になったのには、理由がある。


リュウには、なにか目ぼしい変化があれば知らせてくれ、と言ってあるのに、何も報告が来ていないのだ。


その答えは、すぐに優花本人の口から飛び出した。