【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


「なーに、変な気を使ってるんだ。いちいちそんな事で、謝るなよ。ばかだな」


ふわり、と、


うつむいたままの頭に、ぬくもりを感じた。


――手だ。


晃ちゃんの、大きな、手のひら。


あの時も、


事故の混乱と怪我の痛みで、心が壊れそうになっていたあの時も、こんなふうに、このぬくもりに救われたっけ。


「気にすんな」


ぽんぽんぽん、と、


大きな手のひらから与えられる温もりが、優しく心に染み渡り、思わず、目の奥がジワリと熱くなる。


「うん」


何か言ったら、きっと声が震えてしまいそうで、優花はただコクリとうなづいた。