【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


晃一郎が、同世代の『女の子』の部屋に入ったのは、これで二人目だ。


一人目は、今は亡き恋人、もう一人の優花。


彼女の部屋は、どちらかというと、淡いトーンの女性らしい柔らかな空間だった。


目の前に広がる、カラフル・ビビットな、可愛らしい空間に視線を巡らせながら、晃一郎はまぶしげに目を眇めた。


イレギュラー体と本体。


姿形も、DNAさえ同じ二人だが、三歳という年齢の差ばかりではなく、やはり別の人間なのだと実感させられる。


――あたりまえだ。


あいつは、あいつ。


このこは、このこ。


同じ人間のわけがないじゃないか――。


ふとした瞬間に垣間見せる、表情や仕草。


それが、どんなに似ていようとも、二人はまったくの別人格。


いうなれば、『生き別れの一卵性の姉妹』、


それが、一番、納得のいく説明かもしれない。