【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~


「あ、えーと、晃ちゃん?」


「ん? 何だよ、じっと見つめて、いい男だからって惚れるなよ? 俺は、ロリコンの趣味はないからな」


案の定、


ニコニコとしたガキ大将めいた笑顔で、からかいモード、フルスロットルな晃一郎の台詞に、優花は思わず『ううっ』と、言葉につまった。


ロリコンって、


三歳しか違わないのに、ロリコンって……。


私って、いったいどれだけ、子ども扱いなの?


いや、


確かに、幼児体型かもだけど……。


少し悲しくなりながら、強引に、喉の奥に引っかかっている二の句を、引っ張り出す。


ここでくじけたら、いつもと同じだ。


頑張れ、私!


「あのね、たまには、一緒に、朝ごはん食べない? かなーと思って」


「え……?」


優花の申し出が意外だったのか、不意を突かれたように、晃一郎は、目を丸めた。