赤の他人は問題ないが、
万が一にも優花を、その死を知っている人間に会ってしまえば、すぐにイレギュラー体だと知れてしまう。
そもそもが、イレギュラー体を発見した場合、国民には国への通報義務があり、それを怠れば厳然たる刑罰の対象となる。
彼らは、法律的に分類するならば、『不法入国滞在者』なのだから、国が課すこの義務と刑罰が不当とは言えないだろう。
イレギュラー体は、その多くが本体と同等か、それ以上の超能力を有することが今までの事例から、多数確認されていて、力が強大であれば、犯罪組織に目をつけられ、その手中に落ちる可能性が高い。
実際、イレギュラーに限らず、ハイレベルな超能力者、主に十代の少年少女をターゲットにした誘拐事件、所謂『エスパー狩り』が横行し、社会問題になってもいた。
過去、最悪のテロ事件が、そうした犯罪組織の手に落ちた超能力者によって行われたこともあり、イレギュラーを取り締まる法律がここ最近、厳しくなっているのが実情だ。



