この世界の晃一郎は、優花よりも三歳年上の十八歳。
優花のいた世界では、高校三年生の、まだ学生の年齢だ。
だが、社会に出る年齢が十代前半と低いこともあってか、目の前にいる晃一郎から受ける印象は、優花の感覚だと既にもう、立派な大人のものだ。
優花のいた世界の晃一郎も、女の子にはモテモテだったが、三歳年上の、この世界のスーパー晃一郎は、輪をかけて超絶的にモテまくっていた。
理知的な美人研究者とか、
妖艶な女医とか、グラマーな看護師とか、可愛らしい患者とか。
――あ。
そう言えば、患者の中には、明らかに人妻とおぼしき色っぽい女性も混じってたって、玲子ちゃんが言ってたなぁ。
出歩く場所が制限されている優花が知ることの出来る範囲は限られていて、主な情報源は『アレは、只の女好き!』」と公言してはばからない玲子なので、少しばかり独断と偏見が加味されているが、
それを割り引いても、この一ヶ月と言うもの、晃一郎の周りにはいつも女の影が絶えなかった。
まあ、確かに、優花から見ても、一方的に言い寄られている感は、否めないが。
『来る者拒まず去るもの追わず』的なスタンスは、どちらの世界の晃一郎にも共通したところかもしれない。



