【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~



三時間目は、選択授業だった。


生徒は、美術か音楽のどちらかの授業を選択していて、それぞれ美術室と音楽室に移動をする必要がある。


が、週一回ながら、これが意外と骨が折れる作業だった。


まずは、体育館から職員室や通常のクラスが入っているA棟へ。


そこから更に、特別教室が入っているB棟まで移動しなければならず、


互いの棟を往来できるのは二階部分にかけられている連絡路か、地上の渡り廊下のどちらかしかない。


優花も玲子も晃一郎もついでにリュウも、皆が音楽を選択していたため、同じルートでの移動となった。


即行で着替えを済ませA棟最上階の四階にある自分たちの教室に戻り音楽の教科書類を引っつかみ、


すぐさま二階の連絡路を渡りB棟へ。


すかさず階段を駆け上がり音楽室のある四階まで一気にGO!


そして、音楽室は、階段から一番奥まった東側の角部屋だった。


だれが時間割を考えているのか定かではないが、その人物には想像力と言うものが欠けているか、何も考えていないのん気者に違いない。


『考えたヤツ、自分でこの距離移動してみやがれ!』


トイレに行く時間すらないのだから、生徒たちが、半ばヤケクソ気味にそうぼやくのも、無理は無いだろう。


それほど、この移動内容には無理があった。