「それ、本気?」 「本気」 力強く言う哀に、これ以上何も言えなかった。 俺はしょせん、浮気相手。 そのことを痛感した。 「そっか。分かった」 俺はそれだけ言って、その場を立ち去った。 引き止めることなんて出来なかったから。 だいぶん歩いてから、ふと振り返った。 未練たっぷりな自分に呆れる。