「哀の気持ちは、なんとなく知ってた。 まぁ、知ったのは別れたときだけど。 別れを受け入れたのはいいけど、次の日からいないし。 誰も知らないし。 純は教えてくれないし」 静かに言ってた言葉が、だんだん大きくなった。 苛立ちを隠せなくなったみたいだ。 私はまだ、混乱していた。 今、何が起きてるのか、把握出来なくなっていた。 「きゃっ……」 急に直樹に腕を引っ張られ、抱きしめられた。