君だけを……。




「彼女は……?」




哀が震えている。

ずっと不安だったことなんだ。




「そのこと、純に聞いた。
あいつにひっぱたかれたんだって?

悪いな」




叩かれたと思う頬を撫でた。



そして、彼女と別れたこと、哀を叩いた理由を話した。




「彼女と別れたんなら、そう言ってよ!」




胸を叩かれながら、怒られた。




「わざわざ話さなくていいかなって」




本当は、怖かっただけ。

だけどこれを言うのは、恥ずかしかった。