君だけを……。




直樹は、着替えてベッドに座っていた。


なぜか、正座だった。




「はい、お水」



「あ、どうも」




2人共無言で、水を飲む。


ごくりと喉を鳴らす音だけが響く。



その中で、先に沈黙を破ったのは、直樹だった。




「ごめんっ!」




何の前触れもなく、いきなり土下座で謝られた。




「覚えてるの?」




半信半疑で聞いてみる。


記憶はないと思っていたのに。




「ああ……。
お酒飲んでたら、気分良くなってきて。
最近彼女と会ってなかったから……」