無論、バッターボックスなど、そこには規定されていないのだから自分で作るほかなかった。
「そや、あんさん中学ん時どんぐらいの球投げてたんや??」
夏原が足元の土を踏みならしながら言う。
「今からそれがわかるだろ?? いくぞ」
「おう、いつでもこいや」
夏原がぐっとバットを握って構えると、奈月もゆっくり振りかぶった。
そして
ボンッ!!
「……え??」
夏原は目を丸くして、後ろに転がるボールを見遣った。
そのボールがまるで今の一瞬をすべて物語っていた。
「1ストライク」
奈月がそのボールをすっと拾い上げた時、夏原はようやく我にかえった。
「い、今の……何や……??」
「何って……真っ直ぐ、おまえが一番好きなストレートだ」
奈月は平然とした顔で再びマウンドにあがる。
「ストレートっちゅうても……今の何キロでてんねん……」
奈月のストレートは名ホームランバッターを唸らせるほどのスピードだった。
「そや、あんさん中学ん時どんぐらいの球投げてたんや??」
夏原が足元の土を踏みならしながら言う。
「今からそれがわかるだろ?? いくぞ」
「おう、いつでもこいや」
夏原がぐっとバットを握って構えると、奈月もゆっくり振りかぶった。
そして
ボンッ!!
「……え??」
夏原は目を丸くして、後ろに転がるボールを見遣った。
そのボールがまるで今の一瞬をすべて物語っていた。
「1ストライク」
奈月がそのボールをすっと拾い上げた時、夏原はようやく我にかえった。
「い、今の……何や……??」
「何って……真っ直ぐ、おまえが一番好きなストレートだ」
奈月は平然とした顔で再びマウンドにあがる。
「ストレートっちゅうても……今の何キロでてんねん……」
奈月のストレートは名ホームランバッターを唸らせるほどのスピードだった。

