青の奇跡

「一般客じゃないって。俺らの高校から引っ張ってくればいいってことだよ」

奈月は肩に置かれた奈緒の手をぱっと手で払った。

それと同時に奈緒は理解したようで、納得した表情を見せた。

「ああ、なるほどね。それいい考えかも」

「だけど今向こうに通っているお客さんをこっちに引き込むのは難しくないかな??うちの設備に不満があってあっちに通うんだから」

「確かに。でも友達があっちに通ってて、それであっちに通ってるっていう可能性もありますよ」

奈月は神妙な面持ちで語った。

「この際妥協してまず客を呼ぶことに専念しましょうよ。球数増やすとか、料金安くするとか」

「いっそのこと両方ともしてしまえばいいじゃないですか」

奈月はパウチされた料金表を手にとって言った。

ここの店の料金は一般のバッティングセンターよりは安いが、向かいのバッティングセンターには負けてしまっている。