『短編』恋するハーモニー



「俺にも言ってよ。好きだって」


その意地悪な要求に、七海の顔は一気に赤くなった。


そんなこと、恥ずかしくて絶対口に出せない。


七海は床に座ったまま、おもむろに右手を窓まで上げると、くもった窓ガラスを指でなぞった。


『レンがすき』


窓ガラスに描かれたその文字を見て、廉はふっと鼻で笑った。


「頑固」


「そんなこと、前からわかってるでしょ」


七海は目をそらせたまま、そう呟いた。