『短編』恋するハーモニー



「キスしても、いい?」


廉はそう言うと、もう片方の手を七海の頬に添えた。


大きな手が七海の頬を優しく包む。


七海は、目を合わせられないまま小さくこくりとうなずいた。


すると廉の顔が少しずつ自分に近づいてきて、少しこわくなって目を閉じた。


ふんわり触れた彼の唇は、とてもやわらかかった。


唇が重なったほんの少しの時間が、永久に続くように感じられた。


廉はそっと唇を離すと、もう一度七海の耳元で「好き」と囁いた。


七海はただ、うんうん、とうなずいた。