「アイツ・・・ヒカルって言うんだけどね?ヒカルが浮気してるみたいなんだ。前は毎朝メールくれたのに、今はぱったり。電話の受け答えも変だったし・・・」
「変・・・ってのは?」
「『お前か・・・タイミング悪いんだ・・・あとで掛けなおす』って、あたし見ながらバツの悪そうな顔して・・・まるで女の子としゃべってるみたいだった」
「そっか・・・」
「メールしても返ってこなくて・・・電話してもでないし・・・2人でいるときも何かうわの空だし・・・浮気だよね、これって」
浮気だって言えることもできる。
今の彼氏と別れさせて、俺に乗り換えないかって言えることもできる。
できるけど・・・
「ミカは、その男のこと、どんくらい好きなの?」
「・・・分かんないけど、出会ってから今まで、ずっとヒカルだけに尽くしてきた。ぶっちゃけ、他の男の人を気にかけたことなんて1回もない」
・・・その言葉が胸に突き刺さった。
他の男の人を気にかけたことなんて1回もない。
ショックだけど、そんくらい好きなんだよな。
「多分さ、あたしヒカルが思ってる以上にヒカルのこと好きだよ。何かね、大好きになった人って愛しいってだけじゃ表せられないんだ。とりあえず、世界でたった一人しかいない愛しの人って感じかな」
ミカは晴れ晴れしい表情で言った。
俺は思った。
コイツ、愛されてんなぁって。
浮気はないなぁって。


