ここは、言うなれば人魚たちの学校でした。



「マリアの歌は本当に綺麗ね」

「…このくらい、誰でも歌えるわ」

「うわぁ!嫌味かしら?」


イスの代わりであるのか、並ぶ岩に座ったマリアと隣の子は、人間で言えば17歳ほどでしょうか。



「違うのよ、絶対。」

彼女は険しい顔で言いました。


「誰も、この歌を完璧には歌えないのよ。」


それを聞いた周りの生徒や、先生までもが頭の上に疑問符を浮かべました。


「それは、どういう意味?」