泡沫のキス





たどり着いたのは、空いた教室だった。


つないでいた手を放し、十雅くんは机に座った。

ムカつく笑顔をたたえたまま、彼は私を見つめてくる。

なぜか彼の笑顔に、腹が立って仕方ない。




「あー、疲れたね!」

「…は?」



思わず出た声と一緒に、私の頭の中で、ブチッという何かがキレる音がした。


すぅっと上がった息を落ち着かせ、もう一度肺に空気を溜めて。




「誰のせいだと思ってんのーっ!!」


私は叫んだ。

学校全体に響くんじゃないかってくらいの声で。