泡沫のキス





言ってやりたい、すごく。

『お前のファンがうるさいんだー!』って。


でも、ご本人さん達が目の前に大勢いる。

い、言えるわけ、…ない。



「特に理由は、ない、です…。あは…は…」


作り笑いなんて、私らしくない。

けど、この量の女子を敵に回すのよりは。

めんどうなことは、本当に、極力避けたいのだ。



な の に 。



「マリア、ちょっと来て!」

「えっ、はっ?待っ…!」



彼は突然走りだした。

私の手を引いて。



あぁ、本当にさようなら。

私の平穏な学校生活…。